1. 退去通知の期限と正しい伝え方

賃貸契約の解約通知は、多くの場合「退去日の1ヶ月前まで」と定められています。この期限を過ぎると、翌月分の家賃まで発生する「二重家賃」のリスクが高まります。まずは賃貸借契約書を確認し、何ヶ月前までの通知が必要か、通知方法(書面、電話、専用システムなど)をチェックしましょう。退去日が決まり次第、速やかに管理会社や大家さんに連絡することが、無駄な出費を防ぐ第一歩です。また、通知が遅れた場合のペナルティについても、契約書で確認しておくと安心です。

2. 「原状回復」の範囲と正しい知識

退去時に最もトラブルになりやすいのが原状回復費用です。「入居者の故意・過失で生じた損傷」は借主負担ですが、経年劣化や通常使用による損耗(日焼け、家具のへこみなど)は貸主負担となるのが原則です。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を知っておくことで、不当な請求を防げます。特に、タバコのヤニ汚れやペットによる傷は「故意・過失」と見なされやすいため、入居時から注意が必要です。

3. 敷金の返還と精算の流れを把握する

入居時に預けた敷金は、退去時の原状回復費用や未払い家賃に充当され、残金が返還されます。重要なのは、精算の流れを理解しておくことです。退去の立ち会い後、修繕費用の見積もりが提示され、その金額を敷金から差し引いた額が返還されます。この際、費用の内訳をしっかり確認しましょう。もし見積もりが不透明であれば、詳細な明細を求め、ガイドラインに基づいた費用かチェックする権利があります。

4. 高額請求を防ぐためのセルフクリーニング術

退去費用を抑える最大の対策は、自分できれいにしておくことです。特にチェックされるのは、水回り(浴室のカビ、キッチンの油汚れ、トイレの水垢)、換気扇、そしてエアコン内部です。日常的な掃除で落とせる汚れは、入居者負担の修繕費に計上されにくい傾向にあります。市販の洗剤で落ちる範囲で、丁寧に掃除を済ませておきましょう。プロのハウスクリーニングは高額になることもありますが、水回りなど特定の箇所だけ依頼するのも一つの手です。

5. 立ち会い当日の流れと準備しておくべきこと

退去日の立ち会いは、貸主側(管理会社など)と借主が一緒に部屋の状況を確認する重要なプロセスです。当日は、賃貸借契約書、身分証明書、そして全ての鍵(スペア含む)を持参しましょう。立ち会い時間はおよそ30分~1時間程度。当日は荷物を全て運び出し、空っぽの状態にしておく必要があります。入居時に撮った部屋の写真があれば、修繕箇所が「入居前からあったもの」だと主張する際の証拠になります。

6. 入居時の「傷・汚れチェック」の重要性

退去時のトラブルを避けるため、入居時に部屋の既存の傷や汚れを細かくチェックし、写真を撮って記録しておくことが非常に重要です。もし記録がないと、退去時の立ち会いで「入居者がつけた傷」と誤解される可能性があります。記録があることで、入居前からあった損傷に対する原状回復費用を請求されるのを防げます。今からでは遅いですが、この経験を次の引っ越しに活かすため、ぜひ知っておきましょう。

7. ライフライン(電気・ガス・水道)の手続き

引っ越しに伴うライフラインの手続きは、退去日より1週間~数日前までに行うのが目安です。特にガスの解約は、立ち会いが必要な場合が多いため、早めに連絡して日程を調整しましょう。電気と水道は、基本的に使用停止日を伝えるだけで完了します。退去日の立ち会い時に、これらの停止手続きが完了しているかを確認されることもあるため、忘れずに行い、精算書などがあれば保管しておくとスムーズです。

8. 郵便物・各種住所変更の抜け漏れ防止

新居に引っ越した後、旧住所へ郵便物が届くのを防ぐため、郵便局への転送届(無料で1年間有効)は必須の手続きです。さらに、金融機関、クレジットカード会社、保険会社、携帯電話、そしてインターネット回線など、各種サービスの住所変更もリスト化して一つずつ確実に済ませましょう。退去後に重要書類が届かなくなる事態を避けるため、遅くとも引っ越し1週間前までには着手するのが理想です。

9. 粗大ごみ・不用品の正しい処分方法

退去日までに、不要になった家具や家電などの粗大ごみをどう処分するかも大きな懸念点です。粗大ごみの回収は、自治体への事前申し込みが必要で、収集までに数日~数週間かかることが多いため、引っ越し日が決まり次第すぐに手配しましょう。無許可で残していくと不法投棄と見なされ、高額な処分費用を請求される原因になります。リサイクル家電は指定の方法で処分する必要があるため、自治体のルールを必ず確認してください。

10. 火災保険・地震保険の解約と精算

賃貸契約と同時に加入した火災保険や地震保険も、退去に伴って解約手続きが必要です。保険期間が残っている場合、未経過期間に応じた保険料が返戻金として戻ってくることがあります。手続きを忘れると、家を明け渡した後も保険料を払い続けることになりかねません。保険会社に連絡し、解約の意思と返戻金の有無、手続き方法を確認しましょう。この手続きも、退去が決まったら早めに行うのが賢明です。

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